Webデザイナーは静的サイトジェネレーターを使うべき
いわゆる「黒い画面」が苦手で尻込みしてしまう人が多いようですが、Webデザイナーはもっと静的サイトジェネレーターを使うべき。
静的サイトジェネレーターは、ブログやマニュアルを書くためのものという認識が一般的かと思いますが、それだけではなく、インブラウザでのプロトタイピング、デザインなどWeb制作全般においても非常に有用です。
例えば、Middlemanであれば、
- Twitter Bootstrap, Bourbon, FoundationなどのCSSライブラリを一発でセットアップ
- ERB, Slimなどのテンプレートエンジンが使える(選べる)
- SASS, CoffeeScriptの自動コンパイル設定が簡単(この辺りに関して言えば、うざいGulpやGruntを使う必要がない)
- ブラウザオートリロードの設定が簡単
- メタデーター、変数をドキュメントに直接記述できるFrontMatterが使える
などのメリットがあります。これらにより、かなり工数を削減できるはずです。
私は、以下の業務ではほとんどの場合、静的ジェネレーターを使います。
- 業務システムのUI設計
- バックエンドがSymfonyであることが多いので、テンプレートにTwigを使えるSculpinを使用します。これに、BootstrapのSASS版を組み合わせるのが定番です。フロントエンド開発チームで作ったTwigのテンプレートはそのままバックエンド開発チームに渡して、再利用してもらいます。
- スマホサイトの制作
- これも上記と同じ感じです。ライブラリにはRachetなどを使っています。
- ランディングページの制作
- 特に、製品情報などが並ぶページではFrontMatterが有用です。製品データー、リンク先はYaml部にまとめ、テンプレートで繰り返し処理をします。これによって、手早く、ミスなく変更に強いページを制作できます。
- 記事コンテンツページの制作
- HTMLではなく、Markdownで記事ページを制作可能です。HTMLを書けない他部署の人に、ほぼ完成形をあげて貰うこともできます。WordPress等のCMSに入力してもらうより簡単だと思います。
ついでに偏った意見を述べると、WordPressで運用されているサイトの8割〜9割方は静的サイトジェネレーターで置換可能だと思っています。テキストファイルでの更新に問題がないのであれば、次のようなメリットがあります。
- セキュリティ
- WordPress本体はともかくとして、どこぞの制作会社が拡張した部分とか各種プラグインのセキュリティって非常にアレですよね。アレっていうか、私の経験からするとたいていの場合最悪です。HTMLファイルだけなら超安心です。
- デザインの変更
- WordPressのテーマ開発って非常にアレですよね。アレっていうか、たいていの場合グチャグチャですよね。どこかのだれかが作ったテーマの変更なんて、やりたくない仕事の筆頭です。ちゃんとしたテンプレートエンジンを使う静的サイトジェネレーターのほうが、開発工数においてもメンテナンスコストにおいても優れていると思います。
- 速度
- キャッシュでいくら工夫しても、単なるHTMLファイルに勝てるはずなし。
- メンテナンス
- プラグインのアップデートだけで疲れませんか。それすらやってないサイトが大半でしょうが。
何だか最後はWordPressの悪口になってしまいましたが、Webデザイナーの人はWordPressの本を読む時間があれば、是非、MiddlemanやSculpinを試してみていただきたいと思います。
コメント